更年期の基礎知識

閉経後は糖尿病に気をつけよう

生活習慣病の1つである糖尿病は、予備軍を含めると、その数は2000万人以上と言われており、国民病と言っても過言ではない病気です。

糖尿病と言えば男性がなることが多いというイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。事実、糖尿病になりやすいのは男性だというデータも出ているのですが、閉経を境にして女性は急に糖尿病になりやすくなるということをご存知でしょうか。

糖尿病という病気

糖尿病は、血中の糖の量を調整しているインスリンの効きが悪くなり、血糖値が高くなる病気です。糖は体に必要不可欠な栄養素ですが、血糖値が高くなりすぎると、糖自体が毒性を持つようになります。

高血糖の状態が長く続くと、血管がぼろぼろになり、腎不全や失明など重い合併症が起こることがあります。また、脳卒中や心筋梗塞など命に関わるような大きな病気の原因になることもあります。

糖尿病の恐ろしさは、以下に記したように、進行するとさまざまな合併症を引き起こすことです。

【糖尿病の3大合併症】
網膜症
高齢者の失明の原因になることがあります
腎症
腎臓の機能が低下し、透析が必要になる場合があります。
神経障害
抹消神経の機能が落ち、壊疽になると下肢の切断をせざるをえない状態になることがあります。

 

閉経後に起こりやすいのは「2型糖尿病」


糖尿病には1型と2型があり、インスリンが完全に分泌されなくなるのが1型の糖尿病です。

1型糖尿病は、20歳未満の思春期に発症することが多いと言われています。そして、2型糖尿病は、遺伝子的要因や乱れた生活習慣などが原因となりインスリンの働きが悪くなることで起こります。閉経後に起こりやすい糖尿病はこの2型糖尿病です。

更年期になり女性ホルモンが減少すると、内臓脂肪が増え、血糖を調整するアディポネクチンが減り、TNF-αなど悪玉ホルモンが増えるようになります。このような状態になると、血糖値を下げるインスリンの効きが悪くなることから糖尿病にかかりやすくなります。そのため、閉経後は糖尿病のリスクが高まってしまうのです。

 

糖尿病にかかるリスクが高まることがあるって本当?

生活習慣病と呼ばれている糖尿病ですが、生活習慣に問題がなく、体重も適正体重の人でも糖尿病が進むことがあります。そして、糖尿病の発症には、体質が深く関わっているため、血縁者に糖尿病の人がいるとリスクが高まるといわれています。

以下のいずれかに該当する人は、糖尿病のリスクがあるので、体内のインスリンの変化を捉えることが大切です。

・血縁者に糖尿病患者がいる
・閉経してる
・普通の生活をしているのに急に体重の変化があった

食後血糖値のリスクを自分で見つけるために、医療機関で糖負荷試験を受けるという方法や、特定健診や健康診断でHbAlcの数値をチェックするという方法があります。

 

食後血糖値のリスクを自分で見つける方法

糖負荷検査は、糖尿病の有無だけでなく、将来どれくらい糖尿病になりやすい体質かどうかをチェックしてもらうこともできます。

検査は、外来で3時間ほどで終了し、3割負担であれば、初診料と検査費用を合わせても4,000円ほどで受けることができるので、糖尿病のリスクが気になる方は、検査を受けることを検討してみてはいかがでしょうか。

医療機関や検診以外でもリスクを見つける方法もあります。最近は、自宅でも気軽に利用することができる血糖値チェッカーがあり比較的安価で販売されているので、そちらを利用してみるのもおすすめです。

さらに、尿中の血糖の有無を調べることができる検査薬もあり手軽に利用することができます。ただし、人によっては血糖値が高くなくても尿糖が出ている場合もあるので必ず専門家の検査を受けるようにしましょう。

女性は閉経を境に糖尿病のリスクが高まるので、閉経前から内臓脂肪を増やさないような生活習慣を身に着けておくことで糖尿病の予防を行うことができますが、内臓脂肪の管理だけでは十分ではないので、体質や加齢から起こる糖尿病のサインを見逃さないように、できれば健康診断は定期的に受けるようにしましょう。

 

糖尿病治療の最大の目的は「合併症の予防」


体に異変を感じて検査を受けた結果、糖尿病と診断をされたときは、医師と連携をとりながら治療を受けていかなければいけません。

糖尿病治療の最大の目的は、合併症の予防です。そのためには血糖値の改善が必要です。糖尿病の治療は長期間に渡り、基本は食事療法と運動療法です。加えて、それをサポートするように薬による治療があります。

糖尿病の薬と聞けば副作用があるのではないか心配だという方も多いかもしれません。近年は、より体や生活に負担が少ない治療薬が開発され処方されるようになりました。また、新しい治療へのアプローチも生まれているので、糖尿病の薬の治療に不安がある方も安心して治療を受けることができます。

糖尿病はかかると完治が難しく長期間に渡り治療が必要な病気なので、肥満体型でなくても、病気のサインを見逃さないように注意を払い、変化を感じたときは早めに検査を受けることを心掛けておきましょう。

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