更年期の基礎知識

更年期の頻尿・尿もれに悩んでいませんか

尿漏れや頻尿の悩みは人には言いにくいデリケートな問題です。ある調査結果によれば、尿漏れや頻尿で悩んでいる女性は多く、40代女性の81%、50代女性の95%が過去1年以内に尿もれの経験があると回答しているほどです。

この年代に起こる頻尿や尿漏れの原因は、尿道や肛門周辺などにある、複数の筋肉である骨盤底筋群の弱りが主な原因だと言われています。骨盤底筋の力が弱くなると、尿道などを適切に閉めにくくなったり、トイレが近くなることがあります。

骨盤底筋はどうして弱まってしまうの?

加齢による衰え

他の部分と同じように年齢とともに骨盤底筋も衰えていきます。

エストロゲンの減少

エストロゲンには、筋肉を維持する作用がありため、エストロゲンが減少する更年期を境に骨盤底筋が緩みやすくなります。

出産

出産時は、骨盤底筋に負担がかかり組織が傷つきます。このダメージが回復しないまま更年期を迎えると、筋肉に衰えがより進行します。

 

更年期に多い尿漏れのタイプは?


骨盤底筋が弱っているときに急に腹圧がかかると、尿が漏れてしまうことがあります。これは腹圧性失禁です。

更年期に起こる尿漏れは、ほとんどが腹圧性失禁による尿漏れです。せきやくしゃみをしたとき、急に立ち上がったときなどお腹に力が入ったときに尿が漏れてしまうのもこのタイプです。

急にトイレに行きたくなり、間に合わすに漏れてしまうのは切迫性尿失禁の可能性があります。切迫性尿失禁は、脳や神経系の病気が原因になっている場合もあります。更年期よりも70代以降に起こる可能性が高い病気であり、投薬治療で症状を改善することができます。

さらに、筋肉の衰えが進むと、尿道だけでなく、膀胱や子宮など、臓器を支えることも難しくなります。このような状態になると、臓器が下がってきて、その一部が膣から出てしまう症状が起こることがあります。これは骨盤臓器脱です。骨盤臓器脱は、尿もれや頻尿を伴い、股のあたりに違和感がある、膣に何かが触れている、などの自覚症状があり、症状が進むと手術が必要な場合もあるので注意が必要です。

尿漏れも骨盤臓器脱も症状が軽いうちであれば、セルフケアで改善したり、進行を防ぐことができます。命に関わるような大きな病気ではありませんが、症状が起こると外出がままなくなることがあり、生活に支障をきたすことがあるので注意が必要です。

 

濃漏れ改善、臓器脱予防にうれしい改善効果!骨盤底筋体操

骨盤底筋の弱りが原因で起こる尿漏れや頻尿に効果的だと言われているのが骨盤底筋体操です。

骨盤底筋体操により骨盤底筋が鍛えられると、尿道が締まり、臓器をしっかり支えることができるようになります。

骨盤底筋体操の方法

① 息は止めず自然呼吸
② お腹に力を入れない
③ お尻は浮かさずしっかり床につける
④ この状態で3秒間膣や肛門を閉め、3秒たったら脱力を繰り返す。

 

簡単ですよね。この体操は5分を目安に行うと効果的です。どのようなポーズでも行うことができますが、初めて行うときは、仰向けで行うと筋肉を動かす感覚がつかみやすくなります。

慣れてくると椅子に座っているときや、料理をしているときなどにながら体操で行うことができるようになります。できれば1日10分程を目安にすると効果的です。

体操はいつ行っても良いのですが、臓器脱の傾向がある方は、朝がおすすめです。朝は臓器が上がった状態なのでより効果的に行うことができます。まずは1ヶ月を目標に続けてみましょう。

 

体操で改善できないときは手術も視野にいれて

更年期 早めに受診する
症状がひどくなってきたときは、尿漏れは泌尿器科、臓器脱は婦人科を受診しましょう。ただし、2つの症状は、互いに関連していることもあるので、両方診ることができる医療機関が近くにあれば両方に対応できる医療機関を選んだほうがよいでしょう。

尿漏れが気になるときは、尿漏れパッドなどを使用して対策をとることができます。最近は、アンモニアの臭いを抑える作用がパッドなど、いろいろなタイプのパッドが出ているので、自分に合うパッドを選びましょう。軽度の尿漏れであれば十分に対応することができます。

尿が大量に漏れてしまい、パッドだけでは間に合わないときや、頻繁に漏れて日常生活に支障が出るときは、手術も視野に入れた治療を考えてみるのも良いかもしれません。

主な治療方法は、低周波電気や磁気で筋肉を刺激し、筋肉を鍛える治療です。尿失禁の根治手術で主流となっている手術は、弱った靭帯を補強するTVT手術です。TVT手術は、1時間程度で手術は完了し、2~5日ほど入院が必要となりますが、最近は日帰り手術を行っている医療機関もあります。

骨盤臓器脱の治療には、落ちた臓器を支えて持ち上げるTVM手術が主流となっていますが、TVM手術を行っている医療機関はそれほど多くはありません。医療機関は、手術数が年間100例以上行っていることを1つの目安にして選ぶと良いでしょう。

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